Mrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)は、現在のJ-POPシーンで最も勢いのあるグループの一つです。しかし、活動休止期間を経てスタートした「Phase 2(フェーズ2)」において、2人のメンバーが脱退したことはファンにとって大きな出来事でした。
この記事では、ミセスの脱退メンバーがサウンドの変化に与えた影響や、現在の3人体制になってからの音楽的な進化について詳しく考察します。かつての5人体制時代から、現在の華やかな表現スタイルへとどのように移り変わったのか、その背景に迫ります。
バンドとしての形態を変えながらも、なぜ彼らは支持され続けているのでしょうか。メンバー脱退という転換点によって生まれた新しい魅力や、楽曲制作の裏側に隠された意図をわかりやすく解説していきます。音楽ファンなら知っておきたい、ミセスの「今」を一緒に読み解きましょう。
ミセスの脱退メンバーが活動に与えた影響と現在の3人体制

Mrs. GREEN APPLEは、2020年の「Phase 1」完結とともに一時活動を休止しました。その後、2021年の年末に衝撃的なニュースが飛び込んできます。それは、結成当初からのメンバーである山中綾華さんと髙野清宗さんの脱退でした。この出来事は、その後のグループの方向性に決定的な変化をもたらすことになります。
脱退したドラム・山中綾華とベース・髙野清宗
Mrs. GREEN APPLEの屋台骨を支えていたのは、ドラムの山中綾華さんとベースの髙野清宗さんでした。山中さんは力強くも繊細なドラミングが持ち味で、ミセスの楽曲に特有の疾走感を与えていた存在です。彼女の存在は、バンドの中に柔らかな雰囲気をもたらす一因でもありました。
一方、ベースの髙野さんは最年長メンバーとして、テクニカルなプレイで楽曲の底上げをしていました。彼の刻む低音は、大森元貴さんのハイトーンボイスを際立たせるための土台となっていたのです。この2人のリズム隊が脱退したことは、物理的に「バンド」としての楽器編成が欠けることを意味していました。
ファンにとっては、5人で奏でる音がミセスの象徴であったため、2人の不在は大きな衝撃として受け止められました。しかし、この別れは決してネガティブな理由だけではなく、それぞれの人生の選択として尊重される形で発表されています。これが、新生ミセスのスタートラインとなったのです。
活動休止期間中に起きた大きな転換点
ミセスが活動を休止したのは、メジャーデビュー5周年という大きな節目でした。この期間は単なる休息ではなく、次なるステージへ進むための準備期間だったとされています。その最中にメンバーの脱退が重なったことで、グループは抜本的な構造改革を余儀なくされました。
これまでの「5人組バンド」という枠組みから、より柔軟なクリエイティブ集団へと進化する必要があったのです。大森さんはこの時期に自身のソロ活動も展開しており、そこで得た知見や表現の幅が、後のグループ活動にも大きく反映されることになりました。
結果として、活動休止明けの2022年からスタートしたPhase 2では、メンバーを補充するのではなく「3人体制」で進むことが決まりました。この決断が、後の自由なサウンドメイキングを可能にするきっかけとなったのは間違いありません。
現在のメンバー構成とそれぞれの役割
現在のMrs. GREEN APPLEは、ボーカルの大森元貴さん、ギターの若井滉斗さん、キーボードの藤澤涼架さんの3人で構成されています。以前のようなリズム隊がいない編成になったことで、ライブや制作のスタイルは大きく変化しました。
大森さんは全楽曲の作詞・作曲・編曲だけでなく、プロデュース全般を担っています。若井さんはギターとしての技術を磨き続けながら、より楽曲を彩るためのテクニカルなアプローチを強化しました。藤澤さんはキーボードに加えて、フルートなどの多彩な楽器で楽曲に彩りを添えています。
リズム楽器については、サポートメンバーを迎える形をとっており、曲ごとに最適なプレイヤーを起用できるようになりました。これにより、決まった形に縛られない自由なアンサンブルが可能になり、サウンドの多様性が一層広がったといえるでしょう。
【Phase 2からの現メンバー】
・大森 元貴(Vocal / Guitar)
・若井 滉斗(Guitar)
・藤澤 涼架(Keyboard)
メンバー脱退後に見られるサウンドの変化と音楽性の進化

メンバーが3人になったことで、Mrs. GREEN APPLEの音楽は劇的な変化を遂げました。Phase 1の「ロックバンド」というイメージから、より「総合芸術」に近いポップスへと進化したのです。ここでは、具体的な音作りの変化について深掘りしていきましょう。
バンドアンサンブルから自由なポップスへの移行
5人体制の頃は、ギター、ベース、ドラム、キーボードという固定された楽器編成でいかに良い音を作るかが基本でした。しかし、3人体制になってからはその制約が完全になくなっています。打ち込みの音を多用し、オーケストラサウンドやシンセサイザーを前面に押し出すスタイルが主流となりました。
かつてのようなストレートなギターロックを基調としつつも、そこにダンスミュージックやR&Bの要素が自然に組み込まれています。これは、特定の楽器担当がいなくなったことで、楽曲が必要とする音を無制限に取り入れられるようになった結果と言えます。
特に低音域の扱いが変わりました。生のベース音だけでなく、シンセベース(電子音のベース)を活用することで、現代的な迫力のある音作りが実現しています。これが、今のJ-POPシーンで求められる派手で密度の高いサウンドにつながっています。
大森元貴のクリエイティビティが全開に
以前から天才的なソングライティング能力を発揮していた大森さんですが、Phase 2ではその才能がさらに解放された印象を受けます。彼が頭の中で描く音像を、より純粋な形でアウトプットできる環境が整ったためです。
「ダンスホール」や「ケセラセラ」といったヒット曲を聞くと、ボーカルのメロディラインが非常に複雑かつ華やかになっていることがわかります。これまでの「バンドで演奏する曲」という制限を外し、「歌としての表現を最大化する曲」へとシフトしているのが特徴です。
また、彼の歌唱力自体もさらに進化しており、地声と裏声を自在に操るスタイルは唯一無二のものとなりました。楽曲の構成もドラマチックになり、一曲の中で場面が次々と変わるような、まるでミュージカルを見ているかのような感覚をリスナーに与えています。
リズムセクションの多様化とサポートの活用
ドラムとベースが脱退したことで、ミセスのリズムは「固定の音」から「曲に合わせた音」へと変わりました。レコーディングでは一流のサポートミュージシャンが参加し、ライブでも凄腕のプレイヤーがバックを固めています。これにより、非常にクオリティの高いグルーヴが生まれています。
ある曲では非常にタイトなジャズ風のドラム、またある曲ではスタジアムを揺らすような壮大な打楽器の音など、楽曲のコンセプトに合わせてリズムの質感を自由に変えられるのが今の強みです。これは、特定のメンバーによる個性を重視するスタイルから、楽曲の完成度を最優先するスタイルへの変化といえます。
ライブにおいても、同期演奏(あらかじめ録音された音源と合わせて演奏すること)を巧みに使いこなし、3人だけでは表現しきれない音の重なりを実現しています。このシステム化された演奏スタイルが、彼らの洗練されたパフォーマンスを支えているのです。
Phase 2以降のサウンドは、緻密に計算された「構築美」が際立っています。かつての荒々しい初期衝動のようなロックも魅力的でしたが、現在は完成されたポップスとしての品格を感じさせます。
視覚演出とビジュアルの変化がもたらした表現の幅

サウンドの変化と同様に、リスナーが驚いたのはそのビジュアルの変容でしょう。Phase 2の幕開けとなった「ダンスホール」のミュージックビデオでは、メンバーがメイクを施し、鮮やかな衣装で踊る姿が映し出されました。これも、メンバー脱退という転換点があったからこその変化といえます。
メイクやファッションによる華やかな変身
以前の彼らは、どちらかといえば等身大の若者らしいカジュアルな服装が一般的でした。しかし、活動再開後は中性的なメイクや、モードで煌びやかなファッションを取り入れるようになっています。これには、音楽を「耳」だけで楽しむものではなく、「目」でも楽しむ総合エンターテインメントにしたいという意向があります。
大森さん、若井さん、藤澤さんの3人は、それぞれのキャラクターに合わせたスタイリングを徹底しています。特に大森さんのビジュアルは、楽曲の持つメッセージ性をより強調するためのツールとして機能しています。自分たちが「偶像」としての美しさをまとうことで、楽曲の世界観を補完しているのです。
こうした変化は当初、従来のファンを驚かせました。しかし、そのクオリティの高さと、音楽性との親和性が証明されるにつれ、新しいミセスの個性として広く受け入れられるようになりました。今や、彼らのビジュアルは楽曲のコンセプトを語る上で欠かせない要素です。
ダンスを取り入れた新しいパフォーマンス
現在のMrs. GREEN APPLEを象徴するのが「ダンス」です。かつてのバンドスタイルでは、楽器を奏でる姿がメインでしたが、現在は楽器を持たずに歌い踊るシーンも増えています。これによって、ステージ上の表現力は格段に向上しました。
特に「ダンスホール」や「Magic」などの楽曲で見せる軽やかなステップは、プロのダンサー顔負けの精度を誇ります。ギターの若井さんやキーボードの藤澤さんも積極的にパフォーマンスに参加しており、グループとしての一体感がこれまでとは違う形で見えるようになっています。
これにより、ライブは単なる音楽の演奏会ではなく、一つのショーとしての完成度を高めました。視覚的な楽しさが増したことで、子供から大人まで幅広い層を魅了するキャッチーさを手に入れたのです。メンバーが減ったことを感じさせないほどの、密度の高いステージが展開されています。
ミュージックビデオのコンセプトと物語性
3人体制になってからのミュージックビデオ(MV)は、非常に高い制作費と時間をかけて作られていることが分かります。一作品ごとに明確なコンセプトがあり、CGや豪華なセットを駆使した映像美が特徴です。これは、音楽の聴き方がYouTubeなどの動画媒体中心になっている現代に合わせた戦略でもあります。
例えば「Soranji」では宇宙を想起させるような広大なスケール感を演出し、「ケセラセラ」では日常に寄り添うような優しさと華やかさを同居させています。楽曲に込められた感情を、映像を通じて視覚的に補強することで、より深い感動を呼ぶ仕掛けになっています。
メンバーが3人になったことで、MV内での役割分担もより明確になりました。大森さんが物語の主役を演じ、若井さんと藤澤さんがそれを彩るという構図が多く見られます。このバランスが取れているからこそ、映像作品としての統一感が生まれています。
過去の楽曲と現在のスタイルの融合

サウンドやビジュアルが大きく変わった一方で、ミセスは過去の遺産を捨てたわけではありません。Phase 1時代の人気曲は、今の3人体制においてどのように扱われているのでしょうか。昔からのファンにとっても気になる、新旧の融合について解説します。
初期の名曲を3人体制で演奏する工夫
ライブでは今でも「青と夏」や「インフェルノ」といったPhase 1の代表曲が演奏されます。リズム隊がいない今の体制でこれらの曲を披露する際、彼らは非常に巧妙なアレンジを加えています。生の楽器音と同期音源を組み合わせることで、5人時代に劣らない、あるいはそれを上回る音圧を実現しています。
また、アレンジの細部を変更することで、今の3人のプレイスタイルに最適化させています。例えば、ギターの若井さんのパートがより際立つように調整されたり、キーボードのフレーズがより現代的な音色に差し替えられたりしています。これにより、懐かしい曲であっても、今のミセスの音として新鮮に響きます。
昔からのファンを大切にしつつ、自分たちの現在地を示すための工夫が随所に見られます。過去を否定するのではなく、今の自分たちが演奏したらどうなるか、というポジティブなアップデートが行われているのです。
不変の魅力である大森元貴の歌詞世界
サウンドがどんなに派手になっても、ミセスの核にあるのは大森元貴さんが紡ぐ言葉です。初期の頃から一貫して描かれている「孤独」「葛藤」「愛」「肯定」といったテーマは、Phase 2でも変わることはありません。むしろ、より深く、普遍的なメッセージへと昇華されています。
メンバーが脱退し、体制が変わるという大きな変化を経験したからこそ、彼の書く歌詞には重みが増しました。「自分たちはどうありたいか」「何のために歌うのか」という問いかけが、楽曲の中に強く反映されています。これが、ファンの心に強く響く理由の一つです。
派手な演出やサウンドの裏側には、常に泥臭い人間賛歌が隠されています。この「変わらない本質」があるからこそ、劇的な変化を遂げてもミセスはミセスであり続けられるのです。音像の変化は、言葉をより遠くへ届けるための進化だったと言えるでしょう。
ロックバンドという枠組みを超えた存在感
現在のMrs. GREEN APPLEを「ロックバンド」という一言で括ることは難しいかもしれません。彼ら自身も、もはやジャンルの枠に収まろうとはしていないようです。ポップ、ロック、ダンスミュージック、クラシックなど、あらゆる要素を飲み込んだ独自のジャンルを確立しています。
しかし、その根本にあるのは「バンド」としての魂です。3人でステージに立ち、お互いの音を感じ合いながらパフォーマンスする姿は、やはりバンドそのものです。リズム隊が抜けたという欠落を、3人の結束力と新しい表現方法で埋めることで、より強固なアイデンティティを築き上げました。
今や彼らは「日本のポップスター」としての地位を揺るぎないものにしています。それは、変化を恐れずに自分たちの音楽を信じて突き進んできた結果です。形態が変わっても、自分たちの信じる「良い音」を追求し続ける姿勢は、昔から何ら変わりません。
| 要素 | Phase 1 (5人体制) | Phase 2 (3人体制) |
|---|---|---|
| 中心サウンド | ギター主体のバンドサウンド | 多様なジャンルのポップス |
| ビジュアル | ナチュラル・カジュアル | メイク・華やかな衣装 |
| パフォーマンス | 楽器演奏がメイン | 演奏+ダンス+演劇的演出 |
| 制作体制 | 5人のアンサンブル重視 | 大森元貴のプロデュース重視 |
進化し続けるMrs. GREEN APPLEの未来像

メンバーの脱退と体制の変更を経て、Mrs. GREEN APPLEは以前にも増して大きな支持を得るようになりました。今の彼らの勢いを見ていると、あの時の変化は避けて通れない進化の過程だったのだと感じさせられます。最後に、これからの彼らが目指す方向性について考えます。
より広い層に響く普遍的なポップミュージック
現在のミセスは、特定の音楽好きだけでなく、お茶の間の誰もが口ずさめるような楽曲を次々と生み出しています。アニメの主題歌やCMソング、ドラマのテーマ曲など、彼らの歌を耳にしない日はありません。これは、彼らが目指す「ポップスとしての究極」を体現している状態です。
大森さんの作るメロディは非常にキャッチーでありながら、音楽的な深みも併せ持っています。子供たちはダンスを楽しみ、若者は歌詞に共感し、大人はその高い音楽性に感嘆する。そんな、世代を問わず愛される音楽家としての地位を、さらに強固にしていくでしょう。
メンバー脱退によるサウンドの変化は、結果として、より多くの人を包み込むための「優しさ」と「強さ」を音楽に与えました。これからも彼らは、時代に合わせて自分たちの形を変えながら、常に最先端のポップスを提示し続けるはずです。
メンバー3人の絆とクリエイティブの深化
3人になったことで、大森さん、若井さん、藤澤さんの関係性はより濃密なものになりました。インタビューなどでも、お互いへの信頼と尊敬の念が頻繁に語られています。この揺るぎない信頼関係こそが、今のミセスの最大の強みです。
若井さんのギター演奏は、テクニカルでありながらより楽曲の感情に寄り添うものになり、藤澤さんのキーボードは楽曲に幻想的な彩りを与える不可欠なピースとなっています。大森さんの圧倒的な才能を、2人が全力で支え、さらに輝かせるという構図が完成されています。
これから先も、3人のクリエイティビティが枯渇することはないでしょう。むしろ、新しい挑戦を重ねるたびに、3人でしか作れない唯一無二の世界観がさらに深まっていくことが期待されます。どんな驚きを私たちに届けてくれるのか、楽しみでなりません。
ファンと共に作り上げるこれからの物語
ミセスにとってファンは、共に歩んできた大切な存在です。活動休止から再開、メンバーの脱退という激動の時期を支えたファンの声は、彼らの大きな糧になっています。ライブ会場での一体感は、彼らが音楽を通じて伝えたい愛と熱量の証明でもあります。
彼らは、常にファンを驚かせ、楽しませることを最優先に考えています。時にはこれまでのイメージを裏切るような変化も見せますが、それもすべては「より良いものを届けたい」という一念からです。その誠実な姿勢が、多くの人の心を掴んで離さないのです。
Mrs. GREEN APPLEの物語は、まだ始まったばかりかもしれません。Phase 2を経て、さらにその先のフェーズへと向かう時、彼らはまた私たちに見たこともない景色を見せてくれるでしょう。変化を恐れず進化し続ける彼らの音楽に、今後も注目していきたいと思います。
Mrs. GREEN APPLEは、常に「今が最高」と言えるアーティストです。過去を尊重しつつも、未来へ向かって全速力で進む姿は、聴く人に勇気を与えてくれます。
ミセスの脱退メンバーとサウンド変化の影響まとめ
Mrs. GREEN APPLEのメンバー脱退と、それに伴うサウンドの変化について詳しく見てきました。山中綾華さんと髙野清宗さんの脱退は、バンドにとって大きな岐路となりましたが、彼らはその逆境をポジティブな進化へと変えることに成功しました。
Phase 2としてスタートした3人体制では、以前のバンドの枠組みを超えた自由な音楽性が開花しました。大森元貴さんの天才的なプロデュース能力を中心に、若井滉斗さん、藤澤涼架さんの3人が一丸となって作り上げるサウンドは、視覚的な美しさやダンスパフォーマンスと融合し、今や唯一無二のエンターテインメントへと昇華されています。
サウンドは電子音や豪華なアレンジを取り入れた現代的なポップスへと変化しましたが、その根底にある大森さんの歌詞世界や、聴く人の心に寄り添うメッセージは変わっていません。この「変化」と「不変」の絶妙なバランスこそが、今のミセスが圧倒的な支持を得ている理由です。
これからもMrs. GREEN APPLEは、私たちの想像を超える新しい音楽を届けてくれるでしょう。メンバー脱退という経験を糧にして生まれた「Phase 2」の輝きは、これからの日本の音楽シーンをさらに明るく照らし続けていくに違いありません。彼らが次にどのような進化を遂げるのか、これからも目が離せません。



